【全得点ＨＲ】豪華な1発攻勢を制した阪神 2本のＨＲに隠された緻密な作戦を解説！？
派出な一発攻勢の試合。全得点がHRで動いた。
より効果的なHRを放ち，勝利を手にしたのは阪神タイガース。
伊藤将VS笠原で始まったこの試合。伊藤将はHRを打たれなければ，お得意の「終わってみれば」の展開が待っていると昨日書いた。
対する笠原の生命線はストレート。
低めに変化球を集められるとお手上げ状態になる。
もちろん阪神打線の狙いはストレート。ここをどう捉えるのか？キーポイントであった。
それでは振り返っていきましょう。
先制点を奪えないもどかしい展開・突破口を誰が？
3回裏1死2.3塁。待望の先制点のチャンスで迎えたのは絶好調の1.2番。近本・中野。
ただ三振と中フライでまさかの無得点。
彼らで取れなかった得点をどこで取るのか？
そして誰がこの雰囲気を変えられるのか？
困惑した雰囲気が漂った甲子園球場。そんな空気を振り払ったのは虎の4番であった。
4番・大山
マルテを1塁において迎える大山。
勿論狙いは笠原の生命線のストレート。
1-3から投げ込まれたストレートに狙いを決めて阪神ファンの待つ外野スタンドへ。
滞空時間の長いHR。
「待望の先制点。」そして何より捉えたかったストレート。
この二つを同時にこなす大仕事。伊藤将の今日の出来から見ても十分な先制点であった。
大山に続いたのはマルテ。豪快なスイングでレフトへ
4回裏に大山の先制HR。直後の5回表には福田にHRを許して2-1のスコア。
また追い上げられるのか？そんな雰囲気が漂った中でまたも振り払うHRが飛び出す。
5回裏は2死から。近本の2塁打。中野の四球。そして迎えたマルテ。
捉えたのはカットボール。ただ変化量が少なかったか？後ろに体重を残し反るように打った打球はものすごいスピードでスタンドへ。
ストレートではなかった。浮いた変化球を捉えての得点。
ここ大事です！！
本来の笠原投手であれば，変化球が浮く恐れがある時はストレートで押してきていた。ただその押せるはずのストレートは大山にやられていた。
同じやられ方をする訳にはいかない
投げざるを得なかった変化球・カットボール選択。案の定浮いてしまう。
そして1塁側でラパンパラが披露されていた。
得点以上に大山がストレートを捉えたことが笠原投手に効いていたかもしれない。
笠原投手がＨＲの出にくいバンテリンドームで化ける可能性が見えたような内容だった。
お得意の展開・驚異のルーキー伊藤将
先発の伊藤将。
2本のソロは許したものの7回2失点。
「終わってみれば」のお得意の展開で試合を作った。
何よりもチームが先制するまで0に抑え続けたことが素晴らしい。
先制した直後に許したHRを許したあたり，こちらが見ている以上に本日もギリギリの攻防が繰り広げられていた。
この日はストレートの走りが素晴らしく，序盤はこの球で支配した。
大島・ビシエドにストレートを連打された当たりから，カット・スライダー・チェンジアップを中心に組み立てストレートはファールを「打たせる」ために使われていた。
試合の流れを見て，最適な選択をし続けるあたりがルーキーの領域を超えている。
チームが苦しい中でも安定した投球を涼しい顔でやってのけてしまう。
優勝を狙う上で欠かせないメンタル面も持ち合わせている。
笠原のに秘められた可能性
前回の対戦では0封。本日の試合は2本のHRでの5失点。
裏を返せばHRを打たれなければ戦えてしまう投手である。
バンテリンドームでの相性は抜群であろう。序盤は前回よりもチェンジアップが低めに集まり，2戦連続で0封される可能性も十分にあった。
ただ徐々に浮き始め，狙われたストレート。ここが笠原の最大の山場かもしれない。
ストレートを狙われないようにチェンジアップ・カット系のコントロールが決まれば，間違いなく勝てる投手になるだろう。
ストレートの質は申し分ない。HRを打たれにくいような配球が確立されたとき，上位チームを食ってしまうだろう。阪神戦以外でも要注目である。
まとめ
「笠原のストレート」これが生命線であり明暗を分けた。
変化球を低めに集め上手くストレートを生かしていた笠原。
ただ浮いてきた変化球に見切りをつけ，投じたストレート。
これをずっと待っていた阪神タイガース。このような構図である。
狙い球を絞り徹底的に振る。この良さが得点となって表れた2本のHR。
先頭に立っていたのはまたも大山であった。
笠原投手には今後も注目が集まる。上位球団を食う。そんな力を秘めている。もしかすると阪神優勝に力を貸す存在になるかもしれない。
本日のブログはここまで。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
明日は高橋遥人の快投に期待しかない。
ストレートを軸に攻めれば，問題はないだろう。
この生命線のストレートに注目して，また明日お会いしましょう。
