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【無念の敗戦】ヤクルト・小川が貫いた勝負所の投球スタイルを解説

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ほぼ毎回先頭を出しながら得点できないもどかしい展開が続いた阪神。チャンスは作ったもののあと一本が出なかった。投手陣がしっかりと試合を作った攻防戦。両投手が見せた生命線を軸にした投球を振り返る。

「終わってみれば」得意の展開に持ち込む伊藤将

阪神・伊藤将はこの日も素晴らしい投球。

サンタナ・古賀にインコースを運ばれるシーンはあったものの生命線であるインコースの威力は衰えず,ボールを低めに集めた。

内角のストレートと外のチェンジアップを丁寧に投げ分ける投球。伊藤将お得意の「終わってみれば」の展開。これが彼の魅力である。

この試合最大の山場は6回裏。村上を歩かせての2死1.2塁で迎える対オスナ

初球の外へのチェンジアップ・そして内角のストレートと完璧なコースで追い込む。

外の変化球で決めに行くも,さすがのオスナ。ファールで粘られる。最後はインコースに最高のボールで見逃し三振。生命線の内角のボールでピンチを凌いだ。

伊藤将投手の生命線はこちら👇

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ヤクルトの徹底した守り・そして捨て身で1点を奪いに来る

ヤクルトは2回から申告敬遠を遂行。

それだけ1点にこだわり大切に守った。

次の回にあたっている近本から始まるというリスクを背負ってでも1イニングでも長くリードを保ちたいという姿勢が見て取れた。

その姿勢は5回裏の攻撃にも表れる。1死2.3塁で迎えるは9番・小川。ここでスクイズ敢行。

スクイズは試合展開・ヤクルトサイドの試合運びを見ても予想通り。ただフライを上しまい追加点のチャンスは潰れてしまった。

捨て身の作戦に思えたが,試合を通して1得点に終わったことを見てもリスクを取ってでもチャレンジする価値はあったのではないか。結果論に過ぎないが,野球の面白い部分でもある。

何度と訪れたチャンス・ただ小川の術中にハマる

阪神は幾度となくチャンスが訪れた。その勝負所で頼ったのはチェンジアップであった。本来であればストレートで押す投手だが,今回はチェンジアップを勝負所で多投する。

そのチェンジアップを意識させたところにインコースへ最高のストレートを投げ込んだ。6回表の2死満塁にはサンズに対して初球にチェンジアップを選択。やはりこの試合はチェンジアップがカギを握っていた。

コース的には甘かったがレフトフライに打ち取る。ランナーがいないときはストレート主体で。それを餌にピンチの場面ではチェンジアップ勝負。どちらも精度が高く攻略するには困難を極めた。

最大の山場で貫いた投球スタイル

最大の山場は8回裏。2死から糸原にヒット。マルテ敬遠。大山には四球。

大山に対してもやはり勝負所でチェンジアップ勝負は変えない。2-3からのラストボールにこの球種を選択し良いコースに決まったが悠然と見送られ大山も歩く。

勝負所でチェンジアップを見切られる。加えて球数もあり投手交代。セットアッパー清水を投入。

この緊迫した場面でサンズに対して落ちるボールを3球続け見事三振に切って取る。

初球から徐々にコースを厳しくするコントロールを持ち合わせた清水投手は素晴らしかった。

まとめ

チャンスを作る過程までは完璧である。後はどう得点に結びつけるか?犠牲フライが減り三振が増えた印象。これはもう切り替えるしかない。金曜日から始まる中日戦。

何が何でも先制点を取りに行きたい。狙い球を決めて打線として襲い掛かる。その集中力を見せてもらいたい。